気管支学
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成因の異なる気管支食道瘻の 3 例
青木 洋介加藤 収山口 常子中原 快明黒木 茂高日浦 研哉中西 洋一山田 穂積
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1990 年 12 巻 5 号 p. 525-529

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抄録
成因の異なる気管支食道瘻の3例を報告する。症例1は56歳の男性で, 上部消化管造影で偶然に発見された気管支食道瘻である。瘻孔は食道中部と右肺S^6との間に存在し, Braimbridge I型の先天性気管支食道瘻と診断された。症例2は, 慢性膿胸の71歳, 男性で, 気管支胸腔瘻および食道胸腔瘻の存在が確認され, 胸腔を介した後天性炎症性の気管支食道瘻と考えられた。症例3は33歳の女性で, 肺腺癌(stage IV)と診断された。CDDP, ADM, 5-FUを3クール施行後に, 胸痛および嚥下時の咳嗽発作が出現し, 内視鏡にて気管支食道瘻が発見された。本症例は, 化学療法により食道周囲の縦隔リンパ節が壊死に陥り, 瘻孔を形成したものと考えられた。
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© 1990 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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