気管支学
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腺癌及び扁平上皮癌が同一気管支内に近接して存在した中心型早期肺癌の 1 例
舛谷 仁丸今村 文生佐久間 貴彦中村 慎一郎宝来 威
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1991 年 13 巻 3 号 p. 282-286

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抄録

症例は46歳男性, 30年間の六価クロム被曝歴がある。1988年3月, 血痰を主訴に来院した。胸部X線上異常所見を認めなかったが, 喀痰細胞診にて角化型扁平上皮癌と診断した。部位確定のため気管支鏡検査を施行, 左B^8とB^<9+10>との分岐部の肥厚と粘膜の発赤腫張を認め, 同部位の擦過細胞診にて腺癌細胞と扁平上皮癌細胞を認めた。1988年6月, 左下葉切除及び縦隔郭清術を施行した。組織学的には分岐部には扁平上皮癌があり正常部分を介して左底幹に腺癌があった。いずれの組織型も気管支壁内に留まる早期肺癌の範疇に入るものであった。中心型早期肺癌はほとんどが扁平上皮癌であり, またクロムによる肺癌も扁平上皮癌が多く, 腺癌は稀である。本症例は同時性に異なった組織型の早期の重複癌が近接して発生した極めて稀な症例である。

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© 1991 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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