気管支学
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高度の気道狭窄を主症状とした Rerapsing polychondritis の 1 例
岩井 一也安場 広高川口 英人山下 健三福間 英記美崎 幸平竹中 一正住友 伸一加藤 幹夫
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1995 年 17 巻 5 号 p. 421-425

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抄録

症例は66歳, 女性。1993年2月より嗄声と喘鳴があり近医を受診していたが, 8月13日窒息状態となったため当院へ救急入院す。緊急気管切開を行い, 切開片の病理所見で気管壁の線維化と軽度のリンパ球浸潤を認め, 特殊染色にて軟骨組織の炎症性の変性・壊死と判断され, その他に結膜炎と鞍鼻が存在したことからRelapsing polychondritisの診断基準を満たすと考えられた。CTでは気管壁の全周性の肥厚がみられ, 気管支鏡所見では気管・主気管支の扁平化, 狭窄, 軟骨輪消失, 軟骨輪の腫脹を認めいわゆる食道様内腔を呈していた。プレドニンとDDSの投与を行ったが気管支鏡所見とCT所見の改善は見られなかった。気管分岐部直上に達する長めの気管カニューレを装着し, 在宅酸素療法を行って約1年後の現在まで外来経過観察中である。

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© 1995 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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