気管支学
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急性好酸球性肺炎 3 症例の臨床的検討
中村 博幸柏原 光介柳生 久永越川 聡岸 厚次庄田 慎一木口 俊郎松岡 健草間 博
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1995 年 17 巻 5 号 p. 432-437

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抄録

経気管支肺生検で診断された急性好酸球性肺炎の3症例を経験した。いずれの症例も若年者で高熱・急激な呼吸困難で発症し, 胸部CT像では両側ほぼ全肺野で肺野濃度の上昇がみられスリガラス様陰影を呈し, さらに胸水貯留が認められた。血液ガス分析では著明な低酸素血症が認められた。末梢血液像では白血球増多がみられたが, 好酸球増多はみられなかった。経気管支肺生検では肺胞隔壁に好酸球および小円形細胞浸潤がみられ, 肺胞腔内には好酸球主体の細胞浸潤がみられ一部では好酸球が集簇している像が認められた。いずれの症例も副腎皮質ステロイドの投与により早期に胸部X線写真上, 異常陰影は消失した。なお経過中一過性の好酸球数増加が認められた。いずれの症例も急性好酸球性肺炎と診断された。今回3症例に対し臨床的検討をおこなったので報告する。

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© 1995 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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