気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
ISSN-L : 0287-2137
経気管支肺生検における Multibite Forceps の有用性の検討
白川 妙子田中 不二穂岸 裕人清嶋 護之難波 煌治直江 弘昭浦本 秀志今村 文哉志摩 清Ott StefanHeinrich D. Becker
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 20 巻 5 号 p. 390-395

詳細
抄録

経気管支肺生検においては, 十分な大きさの組織をより多く短時間で採取することが重要である。Multibite Forcepsは先端ブランチの径が長く採取した組織をsheath内に保持できるので, 鉗子を引き抜かずに連続4回の生検が可能である。我々は本鉗子の臨床上の有用性を通常の鉗子と比較して検討した。全麻下30例, 局麻下15例。対象はびまん性病変38, 気管支内病変8, 末梢限局性病変3(重複あり)。全麻下では平均10個の組織片採取。24/30例で鉗子の取り扱いは簡単であり, 23/30例で生検時間の短縮が得られ, 19/30例で大きい組織片が得られ, 全麻下での有用性は優れていた。局麻下では採取組織片は平均3.6個, 時間短縮が得られたのは7/15例, 鉗子の取り扱いは3/15例でやや困難, 大きい組織片が得られたのは8/15例であり, 症例によってばらつきがみられた。限局性病変や, 屈曲位での生検には適さないが, びまん性病変には有用であった。また, 全麻下, 局麻下ともに採取した組織の質は病理診断上優れていた。

著者関連情報
© 1998 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top