気管支学
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ポリウレタン外張り両端フレアー型金属ステントを用いた Stent-in-stent により治療し得た気管形成術後肉芽腫性高度気管狭窄の 1 例
杉本 幸司三野 暢哉奥村 典仁青木 稔今中 一文廣田 省三
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1999 年 21 巻 1 号 p. 66-71

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抄録
症例は47歳, 男性。気管原発腺様嚢胞癌に対する気管分岐部切除術・気管形成術後の吻合部狭窄にて来院し, 金属ステント(Z-stent)による拡張術を施行した。その約1年6ヵ月後, 異物性肉芽による金属ステント内腔の再狭窄をきたした。Nd-YAG laserを照射したが, 無効であったため, ポリウレタンを部分的に外張りした両端フレアー型金属ステント(Z-stent)を作製・留置し, 救命しえた。両端フレアー型金属ステントは, 留置後のステントの移動防止に有用であった。また, ポリウレタンは, ダクロン・メッシュ等と比べ軽量で, 本例のような高度気道狭窄に対するステントのカバー素材として有用であり, 部分的に外張りすることによって末梢分枝を閉塞することなく安全に留置できた。患者は, 社会復帰可能となり, 現在も通院中である。良性気道狭窄に, カバーを施したステントを留置した報告は少なく, 今後長期経過観察が必要である。
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© 1999 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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