気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
ISSN-L : 0287-2137
胸腔鏡にて特異な胸膜病変を呈した肺野型サルコイドーシスの1例
池田 康紀桧山 貴子福島 康次梅津 英央小林 哲田村 元彦関 哲男福田 健嶋田 晃一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 22 巻 1 号 p. 40-45

詳細
抄録

28歳男性, 3年前に胸部異常陰影を指摘され, 精査受けるも確定診断が得られず, 肺結核として治療を受けていた。しかしその後も陰影の改善みられず, また持続性の咳嗽や血痰も出現したため当院紹介入院となった。胸部X線, CT上, 両側肺野に多発結節・浸潤陰影を認めた。これまで計4回の経気管支肺生検が施行されたが確定診断は得られなかった。気管支肺胞洗浄液においてもリンパ球比率やCD4/CD8比の上昇はみられず, 血清ACE値は正常, ツ反のみ陰性であった。また細胞診は陰性, 真菌・一般細菌検査でも異常はみられなかった。他の肉芽腫性疾患との鑑別もあり, 胸腔鏡下肺生検を施行したところ, 特異な肺胸膜変病を認め, 病理学的にサルコイドーシスと診断された。びまん性肺疾患と鑑別を要する肺野型サルコイドーシスの確定診断に, 胸腔鏡検査は有用であった。

著者関連情報
© 2000 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top