気管支学
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悪性気道狭窄に対する気道ステント療法(<特集>気道狭窄に対する気管支鏡下治療)
岡林 孝弘渋谷 祐一濱田 円荒木 雅史白木 淳
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2004 年 26 巻 2 号 p. 120-125

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抄録

背景・目的.悪性気道狭窄に対する気道ステント療法についてレトロスペクティブに検討した.対象.1998年から2003年6月までに気道ステントを留置した悪性気道狭窄20症例,延べ25回を対象とした.結果.全身麻酔硬性気管支鏡下で20症例に延べ27本のステントを留置した.使用したステントはDumonステントなどシリコンステントが20個であり,カバー付きおよびカバーなしUltraflexステントなどメタリックステントが7個であった.気管分岐部に病変が及ぶ例が多く,シリコン製Yステントが13例に使用された.ステント留置により,PSは留置前平均3.1から留置後平均1.8へと有意に改善したが,合併症や原疾患のため改善を認めない症例もあった.6例では気道狭窄が解除され,テンポラリーステントとして平均71.5日後に抜去された.ステント留置後の生存曲線では,平均生存期間は246日であったが,テンポラリーステント例では,パーマネントステント群より予後が有意に良好であった.結論.気道ステント留置により,PSは改善された.テンポラリーステント群の予後はパーマネントステント群より良好であった.テンポラリーステントとなる可能性があれば抜去可能なステントを選択すべきである.

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© 2004 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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