2004 年 26 巻 2 号 p. 159-163
症例.症例は76歳,男性.主訴は右胸痛と食欲不振.2000年7月17日扁平上皮癌の診断で右下葉切除+S^2部分切除,胸壁合併切除を施行した.術後5ヶ月目に術側残存肺に結核を発症し治療した.結核治療後4ヶ月目に右胸痛と食欲不振で当科受診し精査で有瘻性膿胸と診断した.CTガイド下に胸腔ドレーンを挿入しドレーンよりの洗浄を18日間施行後Endobronchial Watanabe Spigot(EWS)にて気管支充填術を施行した.充填術後7日目に胸腔ドレーン抜去し合併症なく治癒した.結論.EWSは有瘻性膿胸に対し低侵襲で,有効な手段となると考えられた.