気管支学
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肺葉内肺分画症を伴った先天性気管支閉鎖症の1例
青山 克彦須田 一晴池谷 朋彦村井 克己星 永進徳永 大道松島 秀和高柳 昇金沢 実河端 美則
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2004 年 26 巻 2 号 p. 164-168

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抄録

背景.先天性気管支閉鎖症,肺葉内肺分画症は,ともに先天性肺疾患として報告が散見されるが,両者の合併した報告はきわめて稀である.症例.症例は21歳の男性,咳嗽,黄色痰,微熱を主訴に紹介された.胸部X線で左中下肺野の肺門側に3個の腫瘤影と鏡面像を伴う嚢胞を認めた.胸部CTでは左B^4が閉塞し,その根部に嚢胞性病変を認め,その末梢S^4領域が気腫性に過膨張を呈していた.左B^4の閉塞は気管支鏡にて確認できた.さらに下葉縦隔側に数個の嚢胞性病変とその周囲の無気肺様陰影を認め,大動脈造影でその陰影に分布した後,下肺静脈に還流する異常動脈を認めた.以上より気管支閉鎖症および肺葉内肺分画症と診断し手術を施行した.術式は分画肺と左上葉を一塊として摘出し,左下葉を温存した.結論.本症例は先天性気管支閉鎖症に肺葉内肺分画症を合併したきわめて稀な症例であった.

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© 2004 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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