気管支学
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胸部単純X線上索状影で発見された微小浸潤肺扁平上皮癌の1例
稲毛芳永角昌晃山本達生石川成美鬼塚正孝
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2004 年 26 巻 7 号 p. 644-648

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抄録

背景.気管支に発生する扁平上皮癌の中でも,気管支壁に沿って平坦に進展しながら胸部単純X線上索状影を呈する微小浸潤癌は稀である.症例.75歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘され来院.胸部単純X線では左下肺野に縦走する索状影を,CTでは左肺S10に5.0×1.0×1.0cmの陰影を認めた.擦過細胞診によりClassV,非小細胞肺癌と診断され,左肺下葉切除術(ND2a)を施行した.切除標本では,左B10biiから末梢に及ぶ長さ2.5cmの気管支壁に沿って平坦に進展する微小浸潤扁平上皮癌を認めた.癌の存在するB10biiおよびB10biiβは開存していたものの内腔は狭窄しており,その末梢に発生した限局性の肺炎とそれに伴う炎症性肉芽組織により索状影が形成されたと考えられた.リンパ節転移はなく,術後病理病期はpT1N0M0 StageIAであった.結論.胸部単純X線で肺野末梢の索状影を認めた場合には,IV次以下の気管支発生の微小浸潤扁平上皮癌も考慮し,慎重な内視鏡的観察に努める必要がある.

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© 2004 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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