気管支学
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極細径気管支鏡 : 肺末梢病変に対して(第27回日本呼吸器内視鏡学会総会 : シンポジウム1-3)
浅野 文祐足達 広和佐藤 寛之桐井 宏和松野 祥彦安部 崇安藤 守秀進藤 丈堀場 通明小牧 千人佐野 公泰加藤 達雄
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2004 年 26 巻 8 号 p. 694-696

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抄録

肺癌患者数の増加, computed tomograpy(CT)の普及および肺癌検診への導入により, 肺末梢病変が多く発見されるようになった. 胸部X線単純写真では異常を認めず, CTでのみ病変を認める症例も増加している. しかし画像による肺癌診断は限界があり, 細胞組織診断が重要である. 肺末梢病変に対する診断方法の現状と問題点 本邦では肺末梢病変に対して, X線透視下気管支鏡検査が主に行われており, 末梢型肺癌診断における感度は40〜80%と報告されている. 1 検査には成人の場合, 通常は外径5〜6mm前後の気管支鏡が使用されてきた. 2 これら通常径気管支鏡の観察範囲は, 一般に亜区域(III次)から亜々区域(IV次)気管支程度である. 2 またS1+2, S1, S2, S6の肺尖側の病変は, 気管支鏡の先端アングル角度を最大にしても, 気管支鏡の挿入および生検器具の誘導が難しい. 3 一方, 生検器具の病変への到達は, X線透視下で判断されるので, 特に小型病変では不確実な場合がある. このため肺末梢小型病変に対する経気管支診断率は低く, 2cm以下の肺癌の場合, 陳ら3は65.6%, 遠藤ら4は76%, 森ら5は83.5%と述べている.

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© 2004 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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