気管支学
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びまん性肺疾患に対する胸腔鏡下肺生検症例の検討
櫻井 裕幸羽田 真朗宮下 義啓
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2005 年 27 巻 6 号 p. 442-446

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抄録

背景・目的.びまん性肺疾患は, 治療する上で組織学的確定診断を要することが少なくない.近年の胸腔鏡の導入以来, その手技はびまん性肺疾患に対する肺生検にも利用されてきた.びまん性肺疾患に対する胸腔鏡下生検につき, その安全性を含め, 有用性を評価した.方法.1998年から2004年までの間に, 当院においてびまん性肺疾患に対する胸腔鏡下生検を施行した13症例を対象に, 臨床病理学的事項(病理学的診断率, 術中所見, 術後合併症・死亡率)を調査した.結果.男性8例, 女性5例, 年齢24〜77歳, 平均59.5歳であった.手術は胸腔鏡下に施行し, 手術中に開胸術への移行例はなかった.手術時間は30〜90分, 平均50分であった.手術関連死亡は認めず, 術後合併症は1例(8%)に認められた.全症例において病理組織学的診断がなされた(診断率100%).結論.胸腔鏡下肺生検は病理学的診断を要するびまん性肺疾患症例において良好な耐術性および有用性を備えた検査手技である.

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© 2005 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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