2007 年 29 巻 3 号 p. 170-176
FDG-PETを利用した癌検診が全国に広がっているが,肺癌の発見率はさほど高くなくPET陰性癌の頻度も高い.当院の4年半の経験では,9,282件中20例0.22%の発見率であり,そのうち40%はPET陰性でCTで発見されたものであった.PET陰性癌は,CTでGGOの病変,組織では肺胞上皮癌と高分化腺癌であり,病期別ではI期であった.PET陽性癌であっても低集積例が多く,高集積例は発見癌の25%に過ぎなかった.PET偽陽性としては,炎症がほとんどを占めた.肺癌を対象とした場合のFDG-PETによる検診の意義と課題について考察した.