気管支学
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気管支顆粒細胞腫の1例と本邦報告例57例の臨床的検討
櫻井 隆之中村 祐之木下 孔明野本 靖史
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2007 年 29 巻 3 号 p. 186-189

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抄録

背景.気管・気管支・肺原発の顆粒細胞腫は稀とされ本邦ではこれまでに50数例の報告のみ存在する.症例.62歳女性,喘息にて通院中に胸部異常陰影を認め胸部CT施行,左肺門部に径1cmの結節影及び左S^3領域の浸潤影を認めた.気管支鏡施行し左B^3入口部に表面顆粒状の結節性病変を認め生検施行,N/C比の低い腫瘍細胞が上皮下に認められた.免疫染色では抗S-100抗体陽性であり顆粒細胞腫と診断し左上葉切除術を施行した.顆粒細胞腫の起源は未だに不明であるが,本邦報告例では抗S-100抗体陽性率が高くSchwann細胞由来説を支持する結果であった.またほとんどが二次気管支までの中枢側に発生していたがその理由は不明である.結語.気管支顆粒細胞腫の1例を報告した.これまでの報告例から腫瘍の起源は末梢神経のSchwann細胞由来であることがあらためて示唆された.

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© 2007 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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