気管支学
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肺炎を繰り返した異物性炎症性ポリープの1例
吉川 拓磨神崎 正人小原 徹也藤田 明大貫 恭正
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2009 年 31 巻 2 号 p. 68-71

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抄録

背景.気道異物は,多くの場合誤嚥後短期間のうちに摘出または自然喀出されるが,長期間介在した異物症例も散見し,その診断・治療に苦慮することもある.今回我々は,気道異物による炎症性ポリープで肺炎を繰り返した1例を経験したので報告する.症例.51歳,女性.右上葉の小細胞肺癌を治療後,再発なく経過していた.右下葉肺炎を繰り返すため,気管支鏡を施行すると,右下葉入口部にポリープを認めた.精査加療目的で当科入院となり,レーザー焼灼術を施行した.ポリープ焼灼後,その末梢気管支に乳白色の異物を認め,引き続き異物を摘出した.結論.CTで気道病変を疑った場合には,速やかに気管支鏡検査,さらにはインターベンションを行うことが重要であると考えられた.

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© 2009 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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