気管支学
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高度瘢痕性気管支狭窄に対する小児用Dumon stent留置術
羽隅 透佐藤 伸之斎藤 泰紀阿部 二郎星 史彦川村 昌輝田中 遼太
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2012 年 34 巻 1 号 p. 58-63

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抄録

背景.気道狭窄に対するシリコンステント留置の有用性は確立されたものと言えるが,手技上硬性鏡の使用が要求されるため,その適応には制限が生じる.また術前処置として如何に狭窄部の開大を図り,ステント径に適合する内腔を確保するかが課題となる.症例.症例1は65歳,女性で結核性左主気管支狭窄症例.症例2は喉頭癌術後で永久気管瘻を有する64歳,男性で扁平上皮癌に対する右上葉管状切術後の吻合部肉芽狭窄症例.いずれもピンホール状瘢痕狭窄を呈し,バルーン拡張では開存を維持できず末梢肺は無気肺を繰り返した.2症例に対して細径気管チューブによるブジー拡張を行い,同時に同チューブをイントロデューサーとし小児用Dumon stentを留置した.ステント留置により気管支の開存は保持され無気肺は解消された.結論.細径気管チューブを用いたブジー拡張および小児用Dumon stent留置は硬性鏡使用困難な高度瘢痕性気管支狭窄に対するステント治療として有用な一手法である.

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© 2012 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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