気管支学
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両側多発肺結節および気管支内腔に多発ポリープを呈したシェーグレン症候群合併悪性リンパ腫の1例
山田 英恵小川 良子清水 圭沼田 岳士佐藤 信也本間 晋介栗島 浩一南 優子坂本 透檜澤 伸之
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2012 年 34 巻 1 号 p. 64-70

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抄録

背景.悪性リンパ腫に肺病変が認められることは珍しくないが,気管支内腔と肺野に同時に多発結節を呈した例の報告はない.今回我々は気管支内腔と肺野に多発の結節を呈し,シェーグレン症候群を合併したMALT lymphomaの1例を経験したので報告する.症例.63歳女性.湿性咳嗽で近医を受診し,その際施行された胸部単純X線で胸部異常陰影を指摘され,当院を受診した.胸部CTにて両側下肺優位に大小不同の結節がび漫性に認められ,気管支鏡で気管〜可視範囲の区域支内腔に突出する多発結節を認めた.右主気管支の結節の生検でMALT lymphomaと診断した.同時にシェーグレン症候群の合併を認めた.結論.MALT lymphomaが多発の肺野結節と気管内ポリープを示すことは稀であるが,シェーグレン症候群などの慢性炎症性疾患が背景にある場合は本症例のような病態を念頭において精査する必要があると考えられた.

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© 2012 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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