背景.再発性多発軟骨炎(relapsing polychondritis ; RPC)は比較的稀な疾患であり早期診断は困難なことが多い.発症から診断まで平均2.9年かかるとの報告もある.症例. 44歳男性.発熱,咳嗽を主訴に受診.頸部気管軟骨生検と^<18>F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography (FDG-PET)検査を施行し,気管気管支に限局したRPCと診断した.症状出現から約1カ月後と比較的早期に治療を開始できた.ステロイド投与により症状が改善し,気管支鏡所見上,気管粘膜の浮腫が著明に改善したが,閉塞性呼吸機能障害は遷延し,一部改善にとどまった.以後,ステロイド単独投与のみでは病勢のコントロールが困難となり,免疫抑制剤の併用を要した.経過中のわずかな再燃の際にも呼吸機能のさらなる低下を認めた.結論. RPCに対して早期に診断し,治療を開始しても閉塞性障害が残存することがあるため,呼吸機能の保持の点からも病勢の厳格なコントロールが必要である.