気管支学
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術前診断に超音波ガイド下経気管支針生検が有用であった迷走神経鞘腫の1例
高橋 耕治池田 政樹大西 涼子加藤 達雄藤永 卓司
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2015 年 37 巻 4 号 p. 382-387

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抄録

背景.中縦隔に発生する迷走神経鞘腫はまれであり,術前に確定診断に至ることは困難なことが多い.今回,術前にEBUS-TBNAで診断できた症例を経験したので報告する.症例. 67歳の男性で,検診で胸部異常陰影を指摘され紹介となった.中縦隔に気管右縁に接する2.5cmの腫瘍を認め, ^<18>F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography (FDG-PET)でmaximum standardized uptake value (SUVmax) : 5.9の取り込みを認めた.画像所見で悪性疾患の除外が困難であったため, EBUSを行った.超音波所見では内部に壊死所見はなく,均一パターンを認め,気管への浸潤はなかった.組織診で悪性所見はなく,良性腫瘍と判断して低侵襲な完全鏡視下手術で切除した.術後診断は迷走神経由来の神経鞘腫であった.迷走神経を合併切除したが,術後合併症を認めずに経過した.結論.中縦隔発生の迷走神経鞘腫の診断にEBUS-TBNAが有用であった.

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© 2015 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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