気管支学
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難治性アスペルギルス膿瘍に対し経皮的ドレナージとendobronchial Watanabe spigot (EWS)充填併用が有用であった1例
頼 冠名肥後 寿夫槇本 剛渡邉 洋美板野 純子佐藤 賢藤原 慶一柴山 卓夫米井 敏郎佐藤 利雄
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2015 年 37 巻 4 号 p. 388-392

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抄録

背景.難治性アスペルギルス膿瘍に対する治療法として,外科的治療が困難である症例は多く,感染症の局所コントロールの手段としてendobronchial Watanabe spigot (EWS)の使用が報告されている.症例.75歳,男性.アスペルギローマ膿瘍に重症細菌性肺炎が合併し抗菌薬,抗真菌薬を用いた.しかし,抗菌薬によると考えられる肝,腎障害を発症し,腎障害については一時的に血液透析を要した.肺炎は治療抵抗性となり,肺膿瘍が持続的な感染源となっているものと考えられた.肺膿瘍に対し経皮的にドレナージチューブを挿入後,気管支鏡にて右上葉にEWS充填術を施行した.結果として感染症局所コントロールに成功し,ドレナージチューブ抜去後退院となった.結語.難治性アスペルギルス膿瘍に対するドレナージとEWS充填術の併用は,感染症局所コントロールの有望な手段である可能性が示唆されたと考えられる.

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© 2015 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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