背景.節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型(extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal type : ENKL)は稀な疾患である.中でも,肺原発NK/T細胞リンパ腫は極めて稀である.症例.症例は71歳女性.全身性強皮症に伴う間質性肺炎治療中に新たに両側上葉浸潤影,多発結節影が出現した.繰り返し施行した気管支肺胞洗浄で異型細胞を認め,免疫染色やEBV関連検査によりNK/T細胞リンパ腫の診断に至った.化学療法を施行したが,治療開始後8日で呼吸不全の進行のため永眠された.剖検でも,鼻腔を含め肺以外の病変はなく肺原発NK/T細胞リンパ腫と診断した.結語.肺原発NK/T細胞リンパ腫は非常に稀であり,気管支肺胞洗浄にて診断できた症例として貴重である.