気管支学
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血痰精査中に偶然発見された気管支平滑筋腫の1例
杉山 智英笠井 尚神山 由香理中原 理恵森 清志
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2015 年 37 巻 5 号 p. 556-560

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抄録

背景.気管支平滑筋腫は肺腫瘍の中でも稀な良性腫瘍の一つである.症例. 63歳男性. 2014年6月に血痰を認め,当院を紹介受診した.胸部CTでは右中下葉に吸い込みと考えられるすりガラス影を認めた.右下葉B^<10>入口部に有茎性ポリープを認め,同部位からの出血を認めた.また左舌区支入口部に5mm大の表面平滑な白色の結節性病変を認めた.右下葉のポリープ病変を生検したが悪性所見を認めず,炎症性ポリープと診断した. 3週間後に気管支鏡を再検するもポリープ病変は消失していた.このとき左舌区支の病変を生検した.病理組織学的には気管支上皮下に紡錐形細胞が束状に交錯して増生する像がみられ,免疫染色にてα-SMA陽性, desmin陽性であり,気管支原発平滑筋腫と診断した.結論.血痰精査中に偶然発見した気管支平滑筋腫の1例を報告した.気管支平滑筋腫は,気管支鏡検査での偶然発見例も報告されている.気管支鏡検査時には非病変側を含めた気管支内腔の観察が必要である.

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© 2015 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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