気管支学
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スネアループが摘出に有用であった歯冠補綴物による気道異物の2例
吉村 克洋深田 充輝青野 祐也天野 雄介神谷 陽輔鈴木 勇三右藤 智啓佐藤 潤妹川 史朗須田 隆文
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2015 年 37 巻 5 号 p. 550-555

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抄録

背景.気管支鏡を用いた気道異物の摘出には,その形状や性質を考慮した適切な器具の選択が必要である.今回,スネアループが摘出に有用であった2症例を経験したので報告する.症例.症例1は85歳,男性.歯科治療中に歯冠補綴物の誤嚥を疑われ受診した.症例2は71歳,男性.脳出血後遺症のため経管栄養と気管切開が行われていたが,頻呼吸とチアノーゼを認めて当科を受診した. 2症例とも左主気管支に歯冠補綴物を認めた.把持鉗子やバスケット鉗子では摘出できず,スネアループを用いたところ速やかに摘出できた.いずれも義歯の連結部にスネアが引っ掛かり,挿管チューブの先端まで引き上げ,チューブとともに引き抜いて回収した.結語.気道異物の摘出には異物の種類や形状によってはスネアループが有用である。

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© 2015 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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