気管支学
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症例
サルコイドーシスに合併した両側胸水に対して局所麻酔下胸腔鏡にて癌性胸膜炎を診断し得た1例
井部 達也濵元 陽一郎児玉 裕章毛利 篤人上村 光弘
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2017 年 39 巻 3 号 p. 237-240

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抄録

背景.ステロイド治療で改善を認めないサルコイドーシスに合併した胸水の精査において,局所麻酔下胸腔鏡が考慮される.症例.63歳男性.近医にて皮膚サルコイドーシスおよび胸部異常陰影にて経過観察されていた.緩徐進行の下腿浮腫と両側胸水貯留,また呼吸不全の急性増悪を認め,精査加療目的に転院搬送となった.心不全を疑い利尿薬を投与したが,左側優位の胸水が残存した.局所麻酔下胸腔鏡を施行したところ腺癌を認め癌性胸膜炎の診断に至った.結論.サルコイドーシスに合併した胸水を認めた場合は,診断のため局所麻酔下胸腔鏡での精査を検討するべきである.

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© 2017 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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