気管支学
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症例
気管内に多発転移病巣を認め,化学療法が奏効した前立腺癌の1例
堀田 尚誠津端 由佳里兒玉 明里森 雄亮中尾 美香天野 芳宏濱口 愛沖本 民生濱口 俊一礒部 威
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2017 年 39 巻 3 号 p. 262-267

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抄録

背景.前立腺癌による気管支内転移は非常に稀である.症例.67歳男性.呼吸困難を主訴に医療機関を受診.肺炎として加療を受けるも改善なく,当院を紹介され受診.胸部CT写真で気管・両側気管支に多発する隆起性病変を認め,経気管支生検を行い腺癌と診断した.原発巣の検索を行ったところ前立腺に腫瘤を認めた.前立腺生検で前立腺癌と確定診断した後に,最大アンドロゲン阻害療法を行い,前立腺・気道病変ともに奏効を得た.結論.前立腺癌の気管支内転移は稀であるが,その存在を考慮する必要がある.

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© 2017 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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