2019 年 19 巻 2 号 p. 2_60-2_69
過去の地震では,構造躯体の耐震性が確保された建物でも,カーテンウオール等の外壁をはじめとして,ガラスや天井材などの非構造部材の脱落など人命を脅かす可能性のある被害が少なからず報告されている.本稿で取り上げるガラススクリーン構法の被害については,設置された建築物の構造体の地震時応答による影響も想定されるケースが見られるものの,地震時の構造体の応答を含めた定量的な検討は多くない.本研究では,ガラススクリーン構法を有する建築物を対象に実施した地震観測と,実測データの分析およびシミュレーション解析に基づき,面ガラスの面外挙動及び建物振動特性との関係について検討した.