2017 年 39 巻 4 号 p. 328-332
背景.気管支結石は稀な疾患ではあるがときに喀血の原因となり,大量喀血の際には緊急の対応を迫られる場合がある.症例.70歳男性.気管支結石にて近医で経過観察されており,脳梗塞罹患後から抗血小板薬を開始されていた.7日前より感冒に罹患し強い咳嗽が続いていた.1日前に喀石と喀血があり,以降も喀血が続くため当院へ緊急転院となった.胸部CTにて気管支結石の消失と周囲の浸潤影を認め,CT-angiographyにて気管支動脈の拡張蛇行と同部位への分布が確認された.気管支結石の脱落に伴う喀血と判断.抗血小板薬を中止し止血剤を投与するも喀血は持続した.このため第5病日に呼吸状態の安定化を図って人工呼吸器管理下に気管支動脈塞栓術を施行.塞栓後から速やかに喀血は消失.第7病日に抜管し,第19病日に抗血小板薬再開後も再喀血なく,第26病日に独歩で退院した.結語.気管支結石による大量喀血に対し,気管支動脈塞栓術は有用であった.