背景.再発性多発軟骨炎の気道病変の評価法として,気管支鏡検査は気道炎症を増悪させ呼吸不全に陥る危険性が指摘されている.バーチャルブロンコスコピーは非侵襲的な気道病変の評価方法として近年注目されている.今回我々は再発性多発軟骨炎における気管支鏡画像とバーチャルブロンコスコピー画像を比較し,その整合性を評価した.症例.47歳女性.慢性咳嗽,関節痛を主訴に当科に紹介され,胸部CTで中枢気道の全周性の壁肥厚を認め,気管支鏡で気道粘膜の浮腫と気管軟骨の不明瞭化を認めた.プレドニゾロン内服後,症状は改善し再発性多発軟骨炎と診断した.その後喘鳴が増悪し,気道ステント留置を要した.その際同時期に施行した気管支鏡画像とバーチャルブロンコスコピー画像を比較し,両者の整合性が高いことを確認した.結論.バーチャルブロンコスコピーは,再発性多発軟骨炎の気道病変の非侵襲的な経過観察の手段に利用できる可能性が示唆された.