気管支学
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症例
超音波気管支鏡ガイド下針生検が診断に有用であったヒストプラズマによる縦隔リンパ節炎の1例
児玉 達哉林 伸好太田 真一郎青木 亮太淡島 舞子濱川 侑介田上 陽一三沢 和央藤倉 雄二叶 宗一郎川名 明彦
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2018 年 40 巻 4 号 p. 372-377

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抄録

背景.超音波気管支鏡ガイド下針生検(endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration:EBUS-TBNA)は,縦隔・肺門リンパ節腫脹を伴う悪性腫瘍に対する有用性が確立しているが,近年感染性疾患の診断に対してもその有用性が報告されている.今回,EBUS-TBNAが診断に有用であったヒストプラズマによる縦隔リンパ節炎の1例を経験したので報告する.症例.58歳男性.約1カ月のメキシコ滞在から帰国後に発熱と咳嗽を主訴に当科を受診した.胸部単純X線で右中肺野に結節影を認め,胸部CTでは右中葉に周囲にスリガラス影を伴う結節影及び右肺門・縦隔・右鎖骨上窩リンパ節の腫脹がみられた.結節性病変に対する経気管支鏡下生検(TBB)を施行したところ,小型楕円形の酵母様真菌を認めた.後日腫脹した縦隔リンパ節に対して行ったEBUS-TBNAにおいても,同様の真菌を認めた.また血清抗ヒストプラズマ抗体陽性であったことから,急性肺ヒストプラズマ症に合併する縦隔リンパ節炎と診断した.結論.EBUS-TBNAは肺ヒストプラズマ症による腫脹した縦隔リンパ節に対する診断においても有用である.

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© 2018 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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