気管支学
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症例
小型肺結節4年の経過により閉塞性肺炎を生じ切除後判明した肺顆粒細胞腫の1例
光星 翔太四手井 博章高圓 瑛博青島 宏枝前田 英之井坂 珠子長嶋 洋治岡本 高宏神崎 正人
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2021 年 43 巻 4 号 p. 383-387

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抄録

背景.顆粒細胞腫(granular cell tumor:GCT)は,Schwann細胞由来の比較的稀な腫瘍である.呼吸器に発生するGCTは大部分が気管・気管支発生で,肺原発は極めて稀とされる.症例.40歳代,女性.3年前,甲状腺癌術前の胸部CTにて右肺上葉に2 cm大の腫瘤を認め,経過観察されていたが,悪性腫瘍を否定できず精査・加療目的で当科紹介となった.本人の希望により経過観察となり,1年後の胸部CTで腫瘤は増大傾向,右S2は閉塞性肺炎像を認めた.気管支鏡検査で右B2は完全閉塞し,確定診断に至らず,精査加療目的で手術の方針となった.胸腔鏡下に右上葉切除術を施行した.病理診断は肺GCTであった.結論.小型肺結節4年の経過により閉塞性肺炎を生じ切除後判明した肺GCTの1例を経験したので,報告した.

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© 2021 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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