気管支学
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症例
剝離性間質性肺炎様反応を呈した溶接工肺の1例
髙橋 晴香竹中 遥横尾 慶紀菅谷 文子山田 玄
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2023 年 45 巻 1 号 p. 43-48

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抄録

背景.剝離性間質性肺炎(DIP)は特発性間質性肺炎の3%未満とされ,発症には喫煙や粉塵曝露の関与が指摘されている.溶接工肺との関連を示す報告は稀である.症例.48歳,男性.喫煙歴は10~20本/日×30年間.職業は溶接工.胸部異常陰影を指摘され,当科を受診した.胸部CTで縦隔リンパ節腫大と両肺にびまん性のすりガラス影を認め,経過観察を行ったが,14か月の経過で肺病変は徐々に進行した.気管支肺胞洗浄では好酸球比率の増加を認めた.診断目的に胸腔鏡下肺生検を施行し,病理組織ではDIP様の所見を認めた.術後に発熱と息切れが出現し,間質性肺炎の増悪と診断し,ステロイド療法により改善を認めた.結論.溶接工肺はDIP様反応を呈することがある.

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© 2023 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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