気管支学
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症例
超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)により診断した慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)の1例
金田 桂一條 甲子郎上原 正裕
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2024 年 46 巻 1 号 p. 31-35

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抄録

背景.慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(chronic lymphocytic leukemia/small lymphocytic lymphoma:CLL/SLL)は成熟B細胞が単クローン性に増殖し,末梢血・リンパ節・脾臓などに浸潤する悪性リンパ腫である.本邦では全白血病の2~3%と稀な疾患であり,過去に超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)で診断された報告例はない.また,EBUS-TBNAによる確定診断のためには検体採取量の充分な確保が必要である.症例.76歳男性.咳嗽,血痰,呼吸困難を主訴に当院を受診した.聴診にて気道狭窄音を聴取し,胸部CTで縦隔に最大直径75 mmの腫瘤影を認めた.気管支鏡検査でEBUS-TBNAによる穿刺を5回施行し,病理組織学的検査でCLL/SLLと診断した.結論.EBUS-TBNAにより診断したCLL/SLLの1例を経験した.気道狭窄音を聴取した際はCLL/SLLを含めた悪性リンパ腫の可能性を考慮する必要がある.

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