1985 年 7 巻 4 号 p. 400-405
TBLB施行症例を胸部異常陰影別に, 腫瘤型, 限局性浸潤型, びまん性型の3群に分け, それぞれの診断におけるTBLBの有用性と合併症について検討した。対象はTBLB施行299症例で, 胸部異常陰影別内訳は肺野腫瘤型142例, 限局性浸潤型97例, びまん性型60例であった。確診あるいはほぼ確診は全体では299例中254例84.9%に得られ, 胸部異常陰影別では腫瘤型142例中121例85.2%, 限局性浸潤型97例中80例82.5%, びまん性型60例中53例88.3%と陰影別にはほとんど診断率に差はなかった。特異的診断の得られたのは299例中149例49.8%で, 胸部異常陰影別では腫瘤型69.7%, びまん性型40%, 浸潤型26.8%の順で陰影別に差が認められた。合併症は6例に中等度以上の気道出血, 4例に気胸を認めたが重篤なものはなかった。