気管支学
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急性呼吸不全に対するベッドサイド TBLB の適応と限界(TBLB の適応と限界)
高 光重花本 澄夫荒木 良彦川幡 誠一木村 謙太郎越智 規夫森野 英男菊井 正紀
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キーワード: 急性呼吸不全, 人工呼吸
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1985 年 7 巻 4 号 p. 425-430

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抄録

主として人工呼吸中の, 胸部X線写真上びまん性陰影を呈する重症呼吸不全例に対し, 肺病変の診断を目的として, 気管支鏡を用いた経気管支肺生検(TBLB)を行なった。TBLBによる組織診断では, 25例中7例の確定診断を含む10例(40%)で診断的有用性が高かった。また他の14例(56%)では, TBLBの組織所見を参考にして治療法の選択がなされた。剖検例7例でのTBLB所見と剖検肺との組織学的比較検討では, 1例をのぞき比較的一致した所見が得られた。合併症は, barotrauma 5例(気胸3, 皮下気腫2), 中等度出血4例の計9例(33%)にみられた。合併症に対する十全な準備と注意深い観察の下に行なえば, 人工呼吸中の重症呼吸不全に対しても, TBLBは有用な情報を提供するものと考えられる。

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© 1985 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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