気管支学
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気管支ファイバースコープ検査の合併症について : 全国アンケート調査(気管支鏡の合併症および対策)
北村 諭
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1985 年 7 巻 4 号 p. 479-486

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抄録

気管支ファイバースコピーの合併症を検索する目的で, 全国の大学附属病院, 国・公・私立病院など1, 028施設にアンケート調査表を送り, 495通の回答を得た。495施設の年間施行例数は47, 744例で, 累積施行例数は279, 280例であった。合併症は1, 381例で発症率は0.49%であった。主要な合併症としては, 気胸611例, キシロカイン中毒169例, 多量出血137例, 発熱125例, 呼吸停止57例, 不整脈53例, キシロカインショック41例, 血圧低下39例, 死亡34例, 肺炎20例, 心停止16例などであった。死亡の直接原因は, 大出血18例, 気胸4例, 呼吸不全3例, 循環不全2例, キシロカインショック2例, 不明5例であった。また34例中19例(55.9%)は検査施行中または直後に死亡した。合併症には充分留意し, 慎重にしかも積極的に本検査を施行することが望まれる。

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© 1985 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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