気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
ISSN-L : 0287-2137
気管支鏡の合併症と対策(気管支鏡の合併症および対策)
桑原 修中岡 和哉土肥 英樹中川 芳樹西川 秀樹
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 7 巻 4 号 p. 487-492

詳細
抄録

1980年から5年間に気管支鏡を施行した1, 506例の主な内容はX線透視下43.5%, 直視下生検は36.5%, TBLBと透視下腫瘤生検18.1%, 末梢病巣擦過25.4%であった。気管支鏡の合併症の主なものと当院での頻度は, 中等量以上の出血3.5%, 気胸0.5%, キシロカインショック, 感染症, 後遺症, 死亡はなかった。検査は原則として入院のうえ行なっている。挿管麻酔器, 救急薬器具を完備し全例検査中は血圧, 脈拍を自動測定している。合併症で最も多く危険な気道出血に対しては, 術前に止血機能検査を行なうとともに出血時にはまずトロンビンの散布を行ない, 大量出血の場合にはocclusion balloon catheterで閉塞し, そのカテーテルからトロンビンを末梢へ注入している。止血に難渋し輸血した症例はなかった。TBLBは必ず透視下に行ない術後はX線写真をとっている。検査による感染防止のため器具の消毒は厳重にしている。検査従事者にたいしても感染, 放射線からの防護も大切である。

著者関連情報
© 1985 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top