気管支学
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気管支鏡検査における経皮的酸素分圧の変動について(気管支鏡の合併症および対策)
加瀬 勝一高木 啓吾増田 秀雄菊地 敬一尾形 利郎杉山 圭作武田 潤
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1985 年 7 巻 4 号 p. 493-498

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抄録

各種呼吸器疾患46例に対し, 気管支鏡検査における動脈血酸素分圧(PaO_2)の変動を経皮的酸素分圧(PtcO_2)によりモニターし, 検討を加えたので報告する。1)PtcO_2とPaO_2は有意の正相関を示した。r=0.88 n=58 PaO_2=1.11(PtcO_2)+15.2 P<0.001。2)気管支鏡検査の各操作によるPtcO_2の低下は, 気管チューブ挿管を除いたほとんどの操作に認められ, 変動率では生検時-18.3%, YAGレーザー照射時-18.0%が大きかった。3)検査全経過を通じての低下率の平均は26%であった。4)70歳以上の低下率の平均は, 70歳未満に比べ小さかった。PtcO_2モニターは, 患者のPaO_2の変動をよく反映し, 低酸素血症による合併症を未然に予防し, 検査の安全性を高めるため非常に有用と思われる。

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© 1985 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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