気管支学
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FCR による気管気管支陰影の検討(気管・気管支の画像診断の進歩)
上村 良一高島 力伊藤 広渡辺 洋宇
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1986 年 8 巻 4 号 p. 453-461

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抄録

FCR画像の特徴としては, 広いダイナミックレンジをもち感度が優れていることや, 高度の画像処理機能を有し目的陰影により最適画像を選択しうることなどの特徴をもつが, ことに胸部診断領域での臨床的有用性が高い。今回, 気管支病変におけるFCRの有用性および限界について, トモグラフィーを中心に検討した。気管では特にFCR側面トモで胸郭上方の障害影が少なく, 読影可能範囲が広がり, 有用であった。気管支病変では, 54例の肺癌例を対象としたが, FCR右画像で病変が明瞭になる例が多く, 有用性が高いと考えられた。さらに, 気管支陰影を明瞭にすることを目的に解剖学的気管支軸に断面を一致させた腹臥位傾斜断層撮影の試みについても述べた。気管支病変のスクリーニング法としては, 単純胸部X線が主体となるが, この点についてもFCRは有用である。今回, dual energy subtraction法における気管支影の評価を行なった。今後の技術改良により, 気道病変のスクリーニングの価値も期待される。

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© 1986 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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