気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
ISSN-L : 0287-2137
新開発胸部感度補償増感 Screen による肺門部気管支の描出能改善に関する検討(気管・気管支の画像診断の進歩)
柴山 麿樹
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 8 巻 4 号 p. 445-452

詳細
抄録

CaWO_4およびrare-earth増感Screenに特殊な色素材料を使用して, 肺野部と, 肺門部・縦隔部との感度補償移行部がgradationalな濃度傾斜を有するように加工した胸部感度補償増感Screenを開発した。この新開発Screenはwider-latitudeの胸部専用フィルム, CR等による画像描出能と比較しても勝るとも劣らない実験的ならびに臨床的結果を得た。ことに, このScreenの使用による特徴は, 肺野部の描出能の劣化を招来することなく, しかも肺門部気管支影, 気管支壁の描出, 縦隔部の分析などには, 従来の高圧胸部X線像に比べ, いずれも70%以上の著明な描出能の改善を示した。本法は, 煩雑さがなく今後, 肺癌検診などを含めた肺野・肺門部病変のスクリーニング検査法として, 有用性が高く, cost-performanceにも優れ, routine使用も可能である。

著者関連情報
© 1986 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top