気管支学
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特発性間質性肺炎における TBLB と BAL の適応と限界(BAL か TBLB か, その適応と限界)
小林 英夫松岡 緑郎岡田 光子倉富 雄四郎石原 照夫北村 諭角田 尚久斉藤 建
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キーワード: 特発性間質性肺炎
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1986 年 8 巻 4 号 p. 523-528

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抄録

特発性間質性肺炎(IIP)におけるTBLBとBALの適応と限界について検討した。対象は未治療の33例のIIP症例で, ほぼ同時期(平均14日以内)に両検査をのべ34回施行した。TBLBでは, 確定診断を得ることは困難であったが, 臨床と病理との緊密な情報の交換により, 62%の症例がIIPに合致する病理所見と評価された。TBLBは組織学的情報を入手するための第一段階としての検査と思われる。BAL所見からは, 診断特異性のある成績は得られなかった。しかし, 多形核白血球分画高値群, リンパ球分画高値群は予後が不良であった。特に, リンパ球高値群では2年以上の生存例がみられず, 予後推定の指標としての意義について今後さらに検討されるべき所見と考えられた。さらに, 各種臨床検査との総合的な検討が, より正確な予後の評価に重要と考えられた。

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© 1986 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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