1986 年 8 巻 4 号 p. 636-641
Tracheobronchopathia osteochondroplasticaは稀な疾患とされていたが, 近年気管支ファイバースコープの普及とともに報告症例数が増加してきている。我々の施設において, 過去10年間に6, 600例の気管支鏡検査が施行され, 4例(0.05%)の本症が確認されている。症例1は, 62歳の男性で, 主訴は咳嗽, 症例2は, 47歳の男性で, 主訴は喀血, 症例3は, 81歳の女性で, 主訴は咳嗽, 喀痰, 症例4は, 30歳の男性で, 主訴は喀血であった。いずれの症例も, 気管支鏡検査により本症が発見され, 本症に特微的な肉眼所見を呈していた。症例3を除く3例は, 組織学的に本症との確診を得た。