抄録
冠水条件におけるヌマスギ (Taxodium distichum L.), ギンドロ (Populus albaL.), およびケヤマハンノキ (Alnus hirsuta Trucz.)の生態生理的特性を比較検討した。これらの樹種のポット苗を冠水条件においたところ, ケヤマハンノキとギンドロでは, 葉量の減少, 光合成速度の低下, および葉の光阻害がみられ, 成長が抑制された。その抑制の程度はケヤマハンノキの方が顕著であった。ヌマスギでは, 葉量の低下がみられず, 光合成速度の低下および葉の光阻害の程度もギンドロやケヤマハンノキに比べ小さく, 成長が抑制されなかった。ギンドロとケヤマハンノキでは樹幹冠水部に不定根が発達した。ヌマスギでは樹幹冠水部に不定根がみられなかったが, 冠水によって樹幹基部の形態が膨満となり, 冠水によって材の組織構造が変化していることが示唆された。