抄録
帰化植物の繁茂は生物多様性の消失の主要因ともなるものの,それに関する生態学的研究例は極めて乏しい。本研究では,永続的埋土種子集団の形成可能性を含めた植物の多くの生態的特性のうち,どの性質が帰化植物としての定着に寄与しているかを分析することを目的として,比較生態学および種子の永続性に関するデータベースに含まれる我が国における帰化植物を抽出した。それらを用いた分類樹木による解析結果において,攪乱依存性および種子の永続性は帰化植物として帰化定着する際に重要な生態的特性であることが明らかになった。そのため,帰化植物による永続的埋土種子集団の形成はそれらの駆除において大きな障害になると言える。