抄録
サクラスミレは草地や疎林等を主要な生育環境とする多年生草本である。近年各地で絶滅が危惧されており,保護,保全手法の確立が望まれる。本研究では,埼玉県比企丘陵のコナラ二次林において,サクラスミレの個体密度及び開花・結実率と,地形,植生,土壌含水率,土壌硬度及び相対光量子密度の関係を調べた。この結果,サクラスミレは谷底面や斜面下部等の土壌含水率が高い場所での個体密度が高いことが明らかになった。また,皆伐,下草刈り,落ち葉掻き等の植生管理下では,夏季の相対光量子密度が高い場所ほど,開花・結実率が高くなることが明らかになった。