抄録
瀬戸内海沿岸域に位置する兵庫県明石市の人工養浜を対象に,沖に設置された離岸堤の有無により異なる波浪環境を設定し,人工養浜上に侵入・定着した海浜植生の種組成および構造と生育地の土壌の粒径組成,土壌水分,土壌塩分などの環境要因について調査を行った。養浜上に成立した海浜植生の成帯構造は,TWINSPAN分類法により4群落型に分割された。また,CCA序列法によりこれらの植生配列と台風後の土壌塩分含量が高い相関を持つことが明らかになった。また,離岸堤の無い養浜部では,波浪後の土壌塩分含量が高く,裸地の面積割合が最も大きかったのに対し,離岸堤のある養浜部では,波浪後の土壌塩分含量が低く,多年生草本群落や矮生低木が優占する群落型の割合が最も大きかった。これらのことより,離岸堤の設置などにより波浪を調整することで,養浜上に成立する海浜植生の種組成や成帯構造の管理が可能と考察された。