日本緑化工学会誌
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論文
伝統的建築材料土漆喰を用いた新しい緑化基盤「土漆喰植栽枡」の開発
伊東 啓太郎谷山 暁進玉泉 幸一郎原田 進高木 正三郎
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2006 年 31 巻 4 号 p. 431-435

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抄録
日本の伝統的建築材料土漆喰を用いた新しい緑化基盤の開発を目的とした。本手法は,特許出願済(特願2005-227460)である。土漆喰とは,土,消石灰,藁,にがり等の自然素材を原料としており,可塑性が高く多様なデザインを可能にする。また,土漆喰を材料として植栽枡を作製する場合,従来の素焼き植栽枡のように焼成する必要がない。本報では,土漆喰の植栽枡材料としての適用可能性,また,植栽土壌へ与える影響について検証した。まず,強度試験を行い,土と消石灰の配合比率を検討して試験用土漆喰植栽枡を作製した。さらに対照試験体としてプラスチック植栽枡を作製し,両試験体植栽土壌の pH,含水率,温度を測定した。その結果,土漆喰は植栽枡の材料として強度的に使用可能であること,また,土漆喰植栽枡では高い排水性及び植栽枡底面からの吸水が確認され,土壌水分の調節効果が確認された。さらに,夏季の土壌温度は,土漆喰植栽枡では最大で約 4℃ ほど対照試験体を下回ることが確認され,土漆喰植栽枡は土壌温度低減効果を有していると考えられた。以上のことから,土漆喰を使用して植栽枡を作成することは可能であり,これからの緑化基盤材料としての活用が期待される。
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© 2006 日本緑化工学会
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