軽量かつ多様な植物の栽培を可能とする薄層緑化技術として,マット植物と保水性能の高い高密度不織布の組合せを採用し,乾物重量と緑被率から有効性を検討した。その結果,密度0.094,厚さ4cmの不織布が保水層として最も有効であり,市販の資材より優れていた。この不織布を保水層として用いると,タマリュウは2週に1回,リペアは週2回の灌水で生育が良好であり,通年にわたって無灌水の管理下でも生育が可能であった。以上の結果から,これら植物材料のマット苗と不織布を組み合わせたシステムにより,無灌水または省灌水管理下で屋上緑化が可能となることが明らかとなった。