抄録
切土のり面の自然回復を目的とした苗木設置吹付工による樹林化実験を行った。実験では,1割勾配の軟岩切土のり面に,2種類の生育基盤(有機質系植生基材と無機質系植生基材)と2種類の生育基盤厚さ(5 cmと10 cm)の合計4種類の実験区を設け,11種類のコンテナ苗木を植栽した。施工3年7ヶ月後の苗木の生存率は,8樹種は70 %以上で3樹種は枯死が多い。枯死は無機質系植生基材で多く発生し,1年目あるいは2年目に枯死するなど樹種によって枯死のパターンが異なる。樹高成長は,多くの樹種で有機質系植生基材のほうが優れる傾向が見られた。苗木設置吹付工を利用した切土のり面の樹林化では,樹種と生育基盤の相性に応じた設計,施工が重要であることが示唆された。