2023 年 59 巻 8 号 p. 272-282
ポリオレフィンをマトリックスとした複合材料において,分散体が衝撃強度に大きく影響する。PP/ エラストマーブレンドやHDPE をポリマー相とした複合材料に関して,1) PP/ エラストマーブレンドにおけるエラストマー量,2) PP/ エラストマーブレンドにおける試験温度,3) HDPE におけるベースポリマーの衝撃強度などを選択することによって,ポリマー相の衝撃破壊挙動は変化した。ポリマー相が延性破壊を示す場合には,直径数100 nm のフィラー添加が衝撃強度を飛躍的に向上させた。一方,ポリマー相が脆性破壊を示す場合には,直径数100 nm のフィラー添加は衝撃強度をほとんど向上させなかった。しかしながら,直径数μm のフィラー添加は,マトリックスの衝撃破壊挙動にかかわらず衝撃強度を低下させた。